アスベストはその有用性から、以前は優れた建築資材として使用されていましたが、人体にとっては重大な発がん性物質であることが判明し、現在では使用を禁止されています。 今回は、アスベストに関する特長や危険性について解説します。
目次
アスベストとはなにか
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アスベスト(石綿)は、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で、「せきめん」または「いしわた」とも呼ばれています。
その繊維は非常に細いため、研磨機や切断機などの施設での使用や、飛散しやすい吹付け石綿などの除去作業において、適切な措置を講じないと石綿が飛散して人が吸入するおそれがあります。昔はビルの建築工事などで保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていましたが、昭和50年に原則禁止されました。現在では製造も原則として禁止されています。
アスベストの特長と危険性
アスベストには以下のような、特長と危険性があります。
アスベストの特長
耐火性・耐熱性:
アスベストは非常に細い繊維から成り立っており、熱や摩擦、酸やアルカリに対して強い特性を持っています。そのため、建材や工業製品に使用されてきました。例えば、吹き付け材、保温・断熱材、自動車のブレーキライニング、ガスケットなどです。
絶縁性と耐薬品性:
アスベストは電気を通しにくく、絶縁性に優れています。
同時に、耐薬品性も高く、細菌や湿気にも強い特性を持っています。
親和性と変化しにくさ:
アスベストは他の物質と密着性に優れており、シール断熱材や防音材としても利用されてきました。
また、変化しにくい性質を持っているため、長期間にわたって安定した性能を発揮します。
アスベストの危険性
健康リスク:
アスベストが微細な繊維状になっているため、吸入すると肺に入り込みます。これにより、慢性的な呼吸器疾患や肺がんなどの健康リスクが増加します。 発がん性: アスベストは発がん性があり、特に長期間の曝露が肺がんや中皮腫などの発症リスクを高めます。
環境への影響:
アスベストの除去や廃棄に伴い、環境汚染のリスクがあります。アスベストが風化したり崩れたりすると、微小な繊維が空中に放出され、周囲の地域に拡散する可能性があります。
まとめ
- アスベストは、「耐火性・耐熱性、絶縁性と耐薬品性、親和性と変化しにくさ」という有用性から健康への悪影響が解明されるまでは、吹き付け材、保温・断熱材などの建築資材として利用されていた。
- アスベストの危険性は、アスベストが微細な繊維状であるために、肺などの人体に吸入できること、発がん性をもっていることである。
さいごに
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